神道研究とナショナリズム


近代的な日本の国家体制の樹立とともに、いわゆる国家神道も成立した。それはしばしば、第二次世界大戦以前の近代日本にとっての国家宗教とみなされている。しかし、神道は公には「宗教」ではなく、国家的な儀礼とみなされた。それによって国家神道には宗教上の自由が認められたが、他方では神道はますます国粋主義的プロパガンダと結びつくことになった。当時の日本や海外の研究者はどのようにこのような「神道」概念の研究に携わっていたのか、あるいは彼らはどのようにそれに反応したのか。第二次世界大戦のあと国家神道は、国内外における神道観にどのような影響を及ぼしたのか。このような問題については特に、「神道研究とナショナリズム」と題する国際シンポジウム が開催され、その成果は2013年に出版された。

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岡正雄と人類学のウィーン学派


岡正雄(1898-1981年)は近代日本の社会人類学の創始者の一人といわれている。さらに日本学の分野では、1000ページ以上のドイツ語による博士論文『古日本の文化層』(1935年)を執筆し、1938年にはウィーン大学日本学研究所を設立したことでも知られている。本プロジェクトは、当時の人類学のウィーン学派がウィルヘルム・シュミット神父の庇護のもと岡の作品に及ぼした影響について研究することを目的としている。